知っておきたい保障のこと

賢い保障選び

ライフステージで考える:子どもの独立

子どもが独立したら、保障をどう見直せばいいの?

「子どもが一人前になるまでの親の責任」と備えていた死亡保障も、その子が経済的な独立を迎えたならもうお役ご免です。大きな死亡保障額は思い切って減らし、それで浮いた保険料は夫婦の老後資金準備に回しましょう。続けてきた保険を、途中で減額したり解約したりするともったいないと考える人も少なくありませんが、そのまま続けても万一がないかぎり、受け取れる資金はほとんどないと考えたほうがいいでしょう。無事に過ごせれば過ごすほど保険料は家計から消えていき、老後資金に残せたはずのお金は貯まりません。

なぜなら、現在の保険は多くが解約返戻金のない「掛け捨て型」や、保険料払込み期間中の解約返戻金を抑えた内容になっているからです。従来の積立部分のある「終身保険」または貯蓄型の「アカウント」を主契約に、死亡保障、医療保障など様々な特約を付加する「定期付終身保険」や「自由設計型保険(アカウント型保険)」についても、特約部分は「掛け捨て型」となっていることに留意すべきです。にもかかわらず、支払い保険料が積み立てられていると誤解しているケースもあり、要注意です。

最小限の保障で、貯蓄のチャンスを逃さない。

家計に重くのしかかっていた教育費も、子どもの独立とともになくなります。その開放感から今までガマンしていた消費に走り、使いグセが取れなくなってしまう家庭も見受けられます。一度ついたクセはなかなか治りませんから、たがを緩めずしっかり家計管理し、老後資金を貯めていく必要があります。結婚から子どもが小さいうちを「第一の貯め時」とすると、子どもの独立から定年退職までの期間は「第二の貯め時」です。この時期を逃すと貯蓄ができる時期はないことを肝に銘じ、保障を最小限に抑えるなど、老後資金の確保に努めましょう。

しっかり貯めるために行いたいのが保険の見直しや支出の管理ですが、住宅ローン返済中の人は「住宅ローンの見直し」も検討課題です。リタイア後の収入ダウンに備え、返済負担を軽くしておくことが望ましいでしょう。余裕資金で「繰上返済」を行い、返済期間を短縮しておくのがひとつの方法です。内容によっては、より条件がよくなるような「借り換え」を検討してもいいでしょう。

POINT

  • 1.子どもが独立したら掛け捨て型の死亡保障は思い切って減らし、浮いた保険料は老後のための資金に回そう
  • 2.保障を最小限に抑えるなど、支出の管理をしっかり行い、「第二の貯め時」を逃さないようにしよう
  • 3.住宅ローン返済中の場合、「繰上返済」や「借り換え」でリタイア後の返済負担を軽くしておくことを検討しよう

執筆:浅田 里花(ファイナンシャルプランナー)

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